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真夏の白日夢 更なるRemixコトノハサマ あとがき

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これで何回目の書きなおしになるのかわからないのですが(笑)

これは迷っていたもう一つの終わりのパターンです。

いたるから見てコトノハサマは夢の存在のままの方がいいのか、現実のお友達の方がいいのか。

迷った末に前回は夢の存在にしました。


でもとんでもない存在ではあるけれど実際のお友達でもいいかなとはずっと思っていました。

元々はコトノハサマと小さないたるの等身が同じくらいなのでいいお友達になれそうだ。

という所から始まったSSなのでこっちもありかなとは思います。


どちらがいいかは読んだ方々のご判断にお任せ致します。

これで今回の更なる番外編は終わりです。

お付き合い頂きました皆様どうもありがとうございました。



そう言えばIslandDaysというゲームが3DSをプラットフォームにして発売されるようですね。

復活の狼煙となるように是非頑張っていただきたいと思います。




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真夏の白日夢 更なるRemixコトノハサマ

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いたるは何もない白い部屋にいた。

床も天井も壁も真っ白で家具も何もない。

窓や扉すらなかった。

そんな部屋を見回して視線を正面に戻したら、いつの間にかコトノハサマがいたるの正面に立っていた。

「うわっびっくりした!」

「ごめんね。驚かせちゃった?」

「まあいいんだけど・・ここどこなの?」

そう言いながらいたるは周りをもう一度見回した。


「そんな事よりいたるちゃんおめでとう。」

「え?失敗じゃないの?」

意外なコトノハサマの答えにいたるは正直驚いた。

あれだけ接触を避けるように言われた過去の自分とぶつかってしまって飛ばされてしまったのだから、とんでもなく悪い結果しか思い浮かばなかったからだ。

「結論から言うとお兄さんは殺されないし、言葉さんと結婚したよ。
 ただ出会い方とかにちょっとした違いは出るかもしれないけど・・・」
 
「そうなんだ!その程度のことはいいよ!お姉さんはお姉さんだし、心お姉ちゃんも心お姉ちゃんなんだね!」

それを聞いてコトノハサマはコクリと頷いた。
 
「コトノハサマありがとう!」

そう言っていたるはコトノハサマを高い高いをするように持ち上げてから抱きしめた。

でもコトノハサマには喜んでいる様子はない。


「どうしたの?」

いたるの不安げな問いかけにコトノハサマは

「お別れだね。いたるちゃん。」

とポツリと答えた。

「え!?ちょっと待ってよ!!
 何で!これからもずっと仲良くしようよ!
 何で私とコトノハサマが一緒に遊んじゃいけないの!
 理由を言ってよ!」
 
「ごめんね。それと思い出してくれてありがとう。
 とっても嬉しかったよ。」

そう言ってコトノハサマは十年前と同じようにいたるの頭を撫でた。

別れをどうしても避けられないと直感したいたるは最後にこれだけは聞いておきたかった。

「私は助けてもらったのにそのままずっと逃げちゃうような薄情な子じゃないよね?」

コトノハサマは笑ってコクリと頷いていたるをそっと抱きしめた。

その瞬間いたるの意識は途切れた。



「・・・いたるちゃん・・・いたるちゃん・・・」

いたるは夢現でその声を聞いていた。

何やら揺すられている気がする。

「いたるちゃん、いたるちゃん。」

そう耳元で声がはっきり聞こえていたるは目を覚ました。


「いたるちゃんいたるちゃん。どうしたんですか?」

「お姉さん?」

「昼間っから何泣いてるんだよ、いたる。」

そう言いながら誠も心配そうだ。

「コトノハサマ・・」

「え?一体どうしたんですか?いたるちゃん。」

いきなり様付けされたと思った言葉は当然驚いた。

いたるは左右を見回して

「夢・・だよね?」

とポツリと言った。

そして何かを思い出しかけたいたるだったが見ていた夢の内容も
何もかも忘れていることに気付いた。

「何でもないよ。」

心配そうな二人にそう言いながらも何かが心の隅に引っかかっていた。


数日後、部屋の整理をしていたいたるは箱の中から昔使っていたカンペンケースを見つけた。

「うわっ懐かしい!昔海岸で掘り出した宝物とかここによく仕舞ってたよね。」

そう言いながら何の気なしにいたるはカンペンケースを開けてみた。

大半は取るに足りないガラクタばかりだったけどその中に一つだけ目を引くものがあった。

「綺麗な桜貝の貝殻・・接着剤で補修してある・・何だっけ?何かあったような?」

いたるはそれを誠に見せようとしたけれど思い留まった。

何故かそうしてはいけない気がしたのだ。


いたるはもやもやした気分を晴らそうと海岸通に散歩に出かけた。

外はまだ日差しが強くて散歩向きの天候ではなかったけれど部屋でもんもんとするよりは良かった。

海岸通を進んでいくとやがて小さな祠が見えてきた。

いたるはここに祠があること自体は知っていたかもしれない。

でも今まで全然気にかけた事などなかった。

でも今日は何故か無性に気になって傍に行ってみることにした。


祠は古くて小さいながらも手入れが行き届いていて良い状態だった。

お供え物もちゃんとされていたしお賽銭を入れていく人もいるようだった。

いたるは祠の中を更に見ようとしたけれど、横からの水音に驚いてそちらを見た。

「お姉さん!?」

「いたるちゃん?」

いたるが見たのは水を汲んだ手桶を持った言葉だった。


「いたるちゃんなんでここに?」

「何となく気になって・・お姉さんこそなんで?」

「いたるちゃんと同じですね。
 私もいたるちゃん位の時に気になってそれ以来ずっとお手入れをしてるんです。」
 
「そんなに長く?」

「ええ。ここのお手入れをすると何となく落ち着くんですよね。」

「わかる気がする・・」

「え?」

「何でもないよ。私も手伝うから一緒にやろう。」

「はい。」


祠の手入れが終わった二人は手を合わせて拝んでから背を向けて帰ろうとした。

その二人の背中に小さな手が伸ばされて触れようとする寸前で止まった。

手を伸ばしたのはコトノハサマだった。

コトノハサマは言葉といたるの様子を祠の横で姿を消してずっと見ていたのだ。

本当ならそのまま二人を見送るつもりだったけれど、二人が背を向けた瞬間に寂しくなって手を伸ばしてしまった。

でも思い留まった。

これはコトノハサマがずっと前から決めた事。

コトノハサマは寂しさをたたえた表情で去り行く二人を見送っていた。

『二人ともありがとう。また来てくれるよね。』

コトノハサマは二人の背中を見送りながらそう思った。



コトノハサマはここの土地神にいつからなったのか覚えていない。

気付いたときには小さな女の子の姿でここの子供たちをずっと見守ってきた。

コトノハサマは土地の子供たちが大好きだったから、守るだけでなく一緒に遊んで楽しく過ごしてきた。

子供たちの中には大きくなってからこうして祠を建ててくれたり、言葉達の様に祠の手入れに来る者もいた。


でもその子達は必ず自分より先に成長して老いてそして死んでいった。

その子供達が連れてきて紹介してくれた子や孫もみんなコトノハサマより先に死んでいった。

いつもいつもその繰り返しでただ見送ることしか出来ない事がとても辛かった。

いたるのように特別仲良くなった子はたくさんの楽しい思い出をくれたけどその分いなくなった時の悲しみはもっと大きかった。


いつからかコトノハサマは助けた子供から自分に会った記憶を消すようにした。

必要以上に仲良くなって同じ時間を長く過ごすと別れが本当に辛いからだ。

でも子供たちの中にはコトノハサマを忘れても何となくこうして祠の手入れに来てくれたり、お供え物やお賽銭を持ってきてくれる子もいた。

コトノハサマは本当に嬉しかった。


だからコトノハサマはそんな子達の面影を借りることにした。

こうしているとその子達の良い思い出と一緒にいられる気がしたからだ。

そして今は言葉の姿を借りていた。

榊野の制服は入学直後の言葉が十年前にここに来たときに嬉しそうに着ていたのを見て真似をした。

コトノハサマは言葉の事を随分前に助けた事がある。

それ以降も何人も助けてきたけれど言葉以外ここに来る子はいなかった。

言葉がいなくなったら祠が荒れ放題になって自分も消えていく覚悟をしていたから、今日いたるの姿を見たときには嬉しくて涙が出そうになった。

まだ暫く土地神を続けられそうだと本当に安心できた。



その筈なのに、このままでいいはずなのに、段々と小さくなる二人の背中を見ているとコトノハサマの目に涙が溢れてきた。

自分で決めたことなのに、折角仲良くなっても時期が来たらまた辛くなるのに、涙が止まらなかった。

コトノハサマにとっていたるはそれだけ大事な存在だったのだ。

そしてコトノハサマの右腕がうにょーんと伸びていたるのシャツをちょんと摘まんだ。

いたるは思わず振り返った。

その先には腕が伸びたままいたるを見ているコトノハサマがいた。

「お姉さん。ちょっと忘れ物したから先帰ってて。」

「はい。」

言葉は少し不思議に思いつつも、そのまま家に戻って行った。


いたるは祠まで全力で駆け戻ってコトノハサマを抱き締めた。

今はコトノハサマに関する記憶は完全に戻っていて、別れの事も全て思い出していた。

そしていたるも泣いていた。

「コトノハサマ!もうあんなお別れやだよ!」

「いたるちゃん・・・」

「ずっとお友達でいてよ!お願いだよ!」

「でも私ずっとこのままだよ。いたるちゃんより長生きするよ。」

「うん。」

「今みたいに腕だって伸びるよ。」

「うん。」

「他の人には滅多に姿を見せられないよ。」

「うん。関係ない。だからお別れなんて嫌だ。」

コトノハサマもいたるを抱き締めて泣いていた。


数日後


いたるはラディッシュからの帰り道の海岸通りを友達二人と歩いていた。

その通り道に小さな祠があって、その屋根の上にちょこんとコトノハサマが座っていたるに手を振っていた。

いたるも友達二人に気づかれないように小さく左手を振ってそれに応えた。

彼女の名前はコトノハサマ。

いたるの大事なお友達。





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心アフター あとがき

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随分昔に書いたSSの続編を見に来ていただいた皆様誠にありがとうございます。

ニコ動等で新しいアニメを見ていると優柔不断な主人公に「誠死ね」とか、
修羅場に対しては「かーなーしみのー」とかそんなコメントをよく見かけますので、
スクイズは随分印象が強くてすごい作品だったのだなと今でも実感できます。

でもまさかこんな下手糞なSSを今でも見に来ていただける方がいらっしゃるとは思わなかったので、
久々にアクセス数を見たときには本当に驚きました。

私自身「心の続編いつか書こうかな」とは思っていたのですが、「今更なあ」と言う思いが強くてずっと放置していました。

とりあえずこうして書けたのは見に来ていただいていた皆様のお陰です。



この短い続編を書くにあたって当時と随分変わったなと実感したのは、殺人事件の時効に関することです。

日本では随分長い間15年という期限でしたが、心を書いた時点(2007年)では25年でした。

まさかそこからたった数年で無期にまで延長されるとは思いもよりませんでした。

今後日本でもイギリスの切り裂きジャックのように扱われる事件が出てくるのかもしれませんね。

でもそんな事件はフィクションだけに留まって現実には決して起こって欲しくは無いですけどね。




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心アフター10

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翌朝まだ日が出る前に言葉は目が覚めた。

そして素早く身支度を整えてそっと出て行こうとしたらその背に

「お姉ちゃん。」

と声がかけられた。

言葉がそっと振り返ると寂しそうな心が立っていた。

「黙って出ていくことないじゃない。」

「うん。お別れが辛くなるかなと思って。」

「駄目だよ。お別れだけはちゃんとさせて。」

「ごめんなさい。」

そう言って言葉は心を抱きよせた。


心も言葉を抱き締めて

「お姉ちゃんまたね。」

と言った。

それはあの雪の日と同じ再会を約束する言葉。

「心・・」

「もう無理は言わない。
 私も子供じゃないしね。」

「強くなったわね。
 夢ちゃんのお陰?」

「そうだね。母親が我が儘言ったり、泣いてたりしてちゃおかしいもん。
 でもね。変わらないこともあるの。」

「え?」

「これからもずっと大好きだよ。お姉ちゃん。」

そう言って心は抱き締める腕に力を込めた。

言葉も同じくらいの力で心を抱き締めて、そして離れた。

「心。幸せになってね。」

「うん。お姉ちゃんもね。」


言葉は駐車場に向かって歩きだして、心はその場に留まった。

それもあの時と同じ。

でも心は目にうっすらと涙を浮かべているものの、
あの時のような大きな悲しみには包まれていない。

それはいつかまた今日のように会えると信じているから。

言葉は振り返りもう一度心とお互いに手を振った。



数ヵ月後、南海の港にて



さっきからクレーンが何度も往復して貨物船から埠頭に荷物が荷揚げされていく。

その近くに荷揚げされた荷物を見ながら手元の台帳を確認している髪の長い女性がいた。

彼女は少し寂しそうで儚そうな美人だが、脚に付けている大きめのサバイバルナイフが剣呑さを主張し、何ともアンバランスな雰囲気を醸し出している。

やがてクレーンの動きが止まると、部下と思われる男が彼女に近づき何事か報告した。

彼女は何度か頷くと、持っていた台帳を男に渡してその場を引き上げた。


この港で見かけるいつもの光景だったけれど、今回はその様子を旅客用の埠頭からフェンス越しに見ていた人物が2人いた。

「ねえママ。あの人別荘で一緒に遊んでくれたママのお友達だよね。」

と彼女の後ろ姿を見ながら夢がそう言った。

「よく似てるけど違うわ。」

「そうかな?あの人だと思うんだけど。」

「そんな事よりパパが来たわよ。」

心の言う通り二人の元へ荷物を抱えた夫がやってきた。

そして三人で何事が話した後、待たせてあった車へ一緒に移動を始めた。

心は遠ざかる姉の後ろ姿に

『お姉ちゃんまたね。』

と心の中で呼びかけた。

-----終わり-----




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心アフター9

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「夢ちゃんもういいの?」

「うん。さっきまではしゃいでたら疲れてよく寝てるわ。」

夢を寝かしつけてリビングに戻ってきた心は言葉の向かい合わせの椅子に腰かけた。

「そう。でも昼間はびっくりしたわ。
 夢の中で出てきた心が私にしがみついたのかと思った。」

「あははは。そんなに私に似てる?」

「すごくね。だから必死に夢ちゃんを追いかけたの。」

「で私がお姉ちゃんを怒鳴ったんだね。」

「そういう事。」


「ねえお姉ちゃん。一杯どうかな?」

心はそう言いながら一本のワインとグラスを二つ出してきた。

「それって。」

「うん。お父さんとお母さんがここに来たら飲んでた地元のワイン。」

言葉はちょっと躊躇った後

「頂くわ。」

と答えた。


それまでとりとめのない雑談をしていたけれど、
一杯のワインがきっかけになったのか、言葉は自分に聞く資格はないと思いつつも、
どうしても聞きたいことを口にしていた。

「お父さんとお母さんは元気なの?」

「前ほどじゃないけど元気だよ。」

「そう。」

「お姉ちゃんの事は話してないから安心して。」

「うん。」

「日本には・・」

「絶対戻れないわ。もし戻って騒ぎになったらまたみんなの生活が根本から崩れちゃう。」

「そう・・だよね。」

数が減ったとはいえ、言葉の起こした事件に関して未だにネット上に中傷サイトが残っている。

だからそのサイトを見た者が言葉を目撃し通報したら捜査の手があちこちに伸びる。

そうなると親族やその周りの者への迷惑は多大なものになるだろう。

ただヨットで遭難し本人死亡の可能性が高いという説が大勢を占めていることが唯一の救いだった。


「私は生きているけど幽霊と同じ。」

「お姉ちゃん・・・」

「だから表に出ちゃいけないの。
 みんなと一緒に暮らすこともできないの。
 だから心は今の生活を大事にしてね。」

「うん・・・・」

「それとね、心約束して。」

「何を?」

「もし私を世界中のどこかで見かけても、私が脚に護身用の大きなナイフをつけていたら絶対に話しかけないでね。」

「理由は聞いちゃいけないんだよね。多分。」

言葉は黙って頷いた。

「わかった。でもそれ以外のときは遠慮なく話しかけるから覚悟してね。」

「そうね。」

そして二人は笑いあった。

でもそれは寂しげで別れが近いことをお互いがわかっている上での笑いだった。




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